ナイトストライカー

実機について

―2049年メトロポリス―
行方不明となっていたレーザー光学の世界的権威、リンドヴェリ=マスカ博士が
東洋を拠点とする謎の組織に愛娘と共に捕らわれていることがわかった。
しかも、それは近年アジアで多発するテロ事件と何らかの関わり合いがあるらしいのだ。
国連特務機関情報部は事件の詳細を探るために諜報員を派遣した。
だが帰ってきた者は一人もおらず、テロ組織が秘密工場で特殊な武器を開発しているらしいという
漠然とした情報は手に入ったが…

事態の重きを知った特務機関長官ディック=ダグラスは、マスカ博士を救出しテロ組織を壊滅すべく特別機動隊に出動を命じた。
特殊な装甲車「インターグレイ」を操り、不可能と呼ばれる作戦を次々に成功させる最強のコマンド、
歴戦の勇士を集めた選りすぐりの精鋭達……
国連特務機関特別行動隊「ナイトストライカー」が、漆黒の闇に包まれた街を駆け抜ける!!


1989年、タイトーから登場。
当時流行していた擬似3Dシューティングゲームの一つ。
非常に特徴的な造形の専用筐体の奥にモニターがあり、照明が内蔵された外殻に覆われている。
外殻に内蔵された照明は半透明のスクリーンを通して、ゲームのスクロール等に応じて様々な効果が加えられ、
ゲームのセールスポイントである疾走感の演出に一役買っている。

自機は特殊装甲車であるが、飛行も可能である。
操作系は同時期の他社の3Dシューティングゲームとほぼ同様にアナログレバー式である。
レバーに付属しているトリガーを引いて攻撃する。フルオート連射可能。
敵へ向かってレバーを倒しながらトリガーを引くか、レバーの根元近くにある攻撃ボタンを押すと
ホーミングレーザーを撃つ事が可能。
ダメージ制を採用しており、敵の攻撃を受ける度に自機のシールドが1つ減ってしまう。
ステージをクリアすると一定数のシールドが回復する。
シールドを失った状態で攻撃を受けると破壊されゲームオーバーとなるが、予めコインを投入していれば
その場でコンティニューが可能。

登場するステージは工場地帯や街中など9種類、A〜Uまで21ステージ構成だが通常進行では6ステージで終了する。
各ステージは同社の「ダライアス」シリーズのように樹状に配列されている。
ボス撃破か時間切れで逃走するとステージクリア。直後に分岐点が現われ、どちらか進みたい方向へレバーを傾けて選択する。

この時代としては珍しく、やりこみ要素が満載されているのも特徴で、
各ステージに出現する敵を全滅させてクリアすると「ワイプアウトボーナス」、
逆に全く弾を撃たず、尚且つノーダメージでステージをクリアすると「パシフィストボーナス」が獲得出来る。
更に地上を走行すると空中を飛行するよりスコアが多く加算されたり、一部の障害物を潜り抜けると
ボーナスが獲得出来るなど、スコアアタックに熱中するプレイヤーから歓迎された。
最終ステージも演出上で敵の攻撃を受けるなどして、自機が様々な形状に変形して最終ボスに挑むという、
ドラマティックな展開がなされている。

作品について&戯言 2014年5月の連休後すぐに製作に取り掛かりました。
独特なデザインで厄介な形状ですが、思いのほか苦労したところはありません。
この筐体の目玉である円筒形のモニター部はスチレンボードを蒲鉾状に整形して、
更に"ある物"を塗ってスチレンボードの欠点である発泡痕を消しています。
前回の「ミッドナイトランディング」「トップランディング」で採用した方法ですが、
意外と大きな効果があったので、今後の製作作業も捗りそうです♪
アナログレバーはコンソール部分に深く差し込んでいるので、指で押せば可動します。
シートは当初両面テープで半固定にしようかと思っていたんですが、テープの糊が強過ぎて
位置を変える度に塗装が剥がれる恐れがあったので、"非常に簡単な方法"で半固定にしています。
指で摘まんで動かせば、実機の様にスムーズに前後に移動します。

セガの「スペースハリアー」が華々しく登場して以来、業務用・家庭用問わず様々な擬似3Dシューティングが登場しましたね。
数多くの似非スペハリの中でも、これは別格の人気を誇る作品です。

実機の存在は、当時読んでいたパソコン雑誌のアーケードゲーム特集で知っていました。
1990年の夏休みに一人旅で愛媛県の祖父母宅に一ヶ月近く帰省してまして、松山観光港から大阪へ帰る
フェリーの時間にかなり余裕があったので、松山市駅周辺でゲーセン巡りしてました(笑)
「いよてつそごうデパート」の屋上を含めると、現地では4〜5件のゲーセンを訪ねました。
もう詳しい場所も店の名前も記憶に残ってないですが、その中の1件に「ナイトストライカー」がありました。
しかも現在では超レアと言われる純正筐体でした。
どこまでクリアしたのかも記憶に無いですが、覆い被さるような円筒形の筐体に仕組まれたイルミネーションは、
それまでのゲーム筐体では体感出来ない非常に凝った演出でした。

筐体の設置数が少ない割りに人気が高かったためか、家庭用移植も比較的早くからありましたが、
色んな情報を参照すると、どうやらアーケード開発用資料等を紛失してしまったために、
家庭用ゲーム機の性能が上がったにも係わらず、完全移植がほぼ不可能な状況という俄かに信じ難い話がありますね。
その家庭用はメガドライブ版とセガサターン版を持っていますが、どうやら完全移植には程遠い内容なようで…
特にメガドライブ版の強引なキャラクターの拡大によるドットの荒さには、別の意味で驚きでしたが(笑)
この記事を書くに当たって、プレイステーション2用「タイトーメモリーズII下巻」収録版を兄から借りてやってみました。
当時のアーケード版の動画と比べてみると遜色無いけど、ベテランの人から見るとこれも完全移植じゃなかったりして…


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